大雪渓~白馬岳登頂(2,932m)~白馬大池~栂池高原へ
第96回 練馬稲門会山歩き会 山行
ご報告
<実施日>
平成29年7月30日(日)~8月1日(火)
<天候>
7月30日(日)曇り、7月31日(月)濃霧、曇り一時晴れ、8月1日(火)曇り、雨
<参加者>
17名(女性9名、男性8名)
五十嵐敏子、内池久幸、神崎 修、喜々津和夫、喜々津一枝、木村慶子、桐谷富美子、清水恵美子、関口總子、手塚吉勝、倉地利史子、篠田克徳、瀬川健治、瀬川
恵、山田恭子、石村 毅、関口嗣男(リーダー)
<コース>
一日目 バスタ新宿6:35発12:10白馬八方バスターミナル着 12:15タクシー分乗12:25猿倉着 準備体操13:00発14:30白馬尻小屋着14:45~15:50雪上訓練16:10白馬尻小屋にて荷物整理 17:00夕食 19:00就眠
二日目 4:00起床 4:30朝食(弁当)5:00準備体操 5:12白馬岳班白馬尻小屋発 5:30大雪渓取りつき約6H11:20県営頂上宿舎12:15白馬山荘着 部屋割り4:00白馬岳山頂17:00白馬山荘夕食 19:00就眠
三日目 3:50起床 4:30朝食(弁当)5:00準備体操 5:10白馬山荘発5:40白馬岳頂上5:507:20小蓮華山7:309:30白馬大池山荘9:5011:40乗鞍岳12:00天狗原14:20栂池ロープウェイ自然園駅14:40==15:15ゴンドラ栂池高原駅着栂の湯にて入浴栂池高原バス停16:10発21:43バスタ新宿着 解散 |
今年の夏山山行(サマーキャンプ)は、白馬岳を中心に2泊3日の山行が選ばれた。
日本一と称するものを幾つか誇る白馬山系。その代表が日本一長大な白馬大雪渓(全長約2km)であり、日本一の規模の白馬山荘(約800人収容)そして日本屈指の高山植物(345種)の宝庫である。
この山行に当たって、関口リーダーが悪天候の中、同じ行程を下見し、かつ参加予定者による事前打ち合わせを2回重ねるなど、関口リーダーの綿密な最新調査をベースに慎重に計画され、実施された。
この下見の結果、今年は残雪が例年より多く、3日目の下りもかなりきついので、参加者を白馬班と八方班に分けて行動することとした。
日本列島を狙う迷走台風は、まだ遠いが影響もあり、天気が思わしくない。
7月30日(日) 6:15バスタ新宿に17名が集合。瀬川夫妻は電車のトラブルにもめげず間に合った。
白馬八方行き高速バスは6:35定刻発。
八王子を過ぎると雨模様となる。途中で雨は上がるが一面の雲。車中にて各自昼食を取る。
交通渋滞で約20分遅れで白馬八方バスターミナル着。
頼んでおいたタクシーに分乗して猿倉(1,250m)に12:25着。
トイレ、身支度、準備体操を済ませ13:00出発。
内池班長を先頭にブナ林の林道を上がる。緩やかな登りで歩きやすい。
途中の川にかかる木橋を13:35通過。道沿いにはカエデ類が多くなる。
前方に白馬岳から小蓮華山への稜線が見え隠れする。
13:50本格的な山道に入る。濡れた岩は滑りやすいので注意が必要。
白馬尻に近づくにつれ、冷気をだんだん感じるようになる。雪渓が生み出す冷風か。
14:30一日目の宿泊地である白馬尻小屋に到着。組み立て終わったばかりの小屋である。
冬季はバラバラにして前方の空き地に積んでおくと言う。大変な作業だ。
部屋の指定を受け、部屋割りをした後、17名全員で小屋から灌木帯を15分ほど上がった大雪渓の下流部で、アイゼンの正しい装着や歩行の仕方などを関口リーダーから指導を受ける。
二日目の朝は早い。前夜届いた朝食用弁当を4:30に食べ、準備体操のあと、八方班の3名の見送りの中、5:12に小屋を出発。天気は大雪渓から湧き出る濃霧である。
5:30大雪渓の取りつきでアイゼン装着。緊張した顔つきながら、いよいよ期待した大雪渓を一歩一歩慎重に踏みしめて行く。
予想された長蛇の列はなく、大雪渓を独り占めして登る気分。
冷静な先頭内池班長に続いて登り始めると、時々落石の音が周囲の山壁にこだまする。
落石そのものは遠いが、乾いた音がまるで映画館の中で聞くような音響を伴う。
登る傾斜がだんだんきつくなり、雪渓を登り切る葱平(ねぶかっぴら)周辺は急傾斜。
アイゼンを外してガレの急斜面を休み休み進む。
この葱平の上部で再びアイゼンを付け雪渓をトラバースして右岸に慎重にたどり着く。
9:40ここでアイゼンを外し、岩場を息を切らして登る。稜線に頂上宿舎が見えてくるが、なかなかたどり着かない。
11:20県営頂上宿舎に着き、弁当の残りなど食べ物を補給する。
ここから約20分で白馬山荘(2,832m)に至る。
山荘までのアプローチには、シナノキンバイやミヤマキンポウゲなどの高山植物が咲き乱れている。
12:15白山山荘に到着。休憩を幾度かはさんで約6時間半のロングウオークとなった。
元気な岳人達は休みも取らず、白馬岳山頂へ向かう。まずまずの天気で良好な展望が待っていた。
三日目(最終日)3:50起床。朝食の弁当を早々と頂く。天候が崩れる予報なので、雨の用意をして5:10出発。
まず白馬岳山頂で記念写真5:40. 視界不良ながら、富山、新潟方面の山々が見て取れる。
新潟高田高校の生徒達と一緒に下る。
稜線上の高山植物に目を奪われながらも、天候が目まぐるしく変化するので、慎重に歩く。
三国境を経て、小蓮華山(2,766m)に7:20着。
ここからライチョウがよく見られるという雷鳥坂を下って白馬大池を目指す。
多くの高山植物とライチョウの親子に遭遇しながら、白馬大池山荘に9:30着。食べ物と水分を補給。
ここから天狗原(2,200m)を経て栂池方面に下るが、このルートの最後の難所となった。
9:50白馬大池発。ここからの道は、大きなガレキや丸い岩石がゴロゴロと続き、歩きにくいばかりでなく、踏み外すと足を痛める恐れが大であった。
乗鞍岳(2,436m)を通過して、その先には再び雪渓が待ち受けていた。
関口リーダーの指示でここもアイゼンを着装して安全に下る。
対岸には大小様々な石や岩が不規則に続き、慎重に時間をかけ、手足を使って下る。
小雨から本降りとなり、一層危険度を増す。
天狗原では、木道に入るまでが水はけの悪いドロドロの道で、足を滑らすこともしばしば。木道でホットするが、再び雨の悪路となり、14:20に栂池ロープウェイの自然園駅に到着。
関口リーダーと五十嵐さんが先に行って乗車券を購入してくれて大助かりであった。
14:40発のロープウェイで下り、ゴンドラリフトを乗り継いで、15:15栂池高原駅に到着。駅前の温泉「栂の湯」に飛び込む。
ゴンドラ乗車券とシルバー割引で入浴料(700円)が400円となった。
入浴時間を確保してくれた関口リーダーと五十嵐さんに感謝しながら温まった。
帰路のバスの車中では、3日間の思い出が複雑に入り混じった昏睡状態の岳人達であった。
白馬岳山麓ハイキング(八方班)のご報告
白馬尻小屋を出発の14人を見送り、5時45分小屋を出、猿倉まで下山、振り返ると山にかかる雲が動き白馬鑓がそびえ、その高さ美しさには圧倒されました。
猿倉からバスで八方バスターミナルへ。そこからゴンドラ、リフトを乗り継ぎ、皆、足を伸ばして、リフト下の花々の頭にさわったり、笑ったり、そして八方山荘へ
八方池まで途中花々が咲き誇り、毎年登ってこられるという80歳過ぎのご夫婦は今年の花はすごいと感嘆の声をあげておりました。花の写真を撮りながら、花の名前を言い当てながら、時間を気にせず、2時間で八方池に到着。
生憎お天気が悪く池に映る山々はみえませんでした。
帰りはリフトを乗り継ぎ八方バスターミナルまで下山するが、途中オオウバユリの群生に出会う。太い茎に多くの花を咲かせ、倒れても起き上がりまげて花芽を持ち、品のいい香水の匂いを漂わせ、写真をパチパチ。お婆3人はすっかり魅了されました。
予約していた民宿「ヒラタ」へ。受付の横の花瓶にオオウバユリのドライフラワーが沢山。早速、記念写真を一枚。
夜は雷を伴う大雨で本陣の白馬岳山荘の仲間を心配する。
次の日はリフトを乗り継ぎ栂池高原へ栂池自然公園を歩き、風穴を通り、浮島湿原を巡り3時間の散策でした。
女性3人で時間を気にせず、花々に巡り会え、おいしいお蕎麦屋さんで一息。思いがげず楽しい白馬山麓ハイキングでした。
報告 木村慶子
山の夏は短い。8月も中旬を過ぎれば、山は秋の気配となり、真っ赤なナナカマドに代表される紅葉が始まる。そして10月には私たちが歩いた稜線も初雪をかぶり、山々は深い眠りに再び入っていく。
私たちが残した歓声や足跡をすべて飲み込む静寂の世界となっていく。しかしその長いモノトーンの厳冬の中からも、新しい息吹が伝わってくるであろう。夏のにぎわいの真っただ中にいても、少し感傷的になるのは年のせいでしょうか。四季折々の自然の変化が印象的な白馬山系である。
(報告:石村 毅 写真:喜々津和夫、内池久幸、石村 毅)
ご案内
健脚コースです。今年のビッグトレイル・サマー・キャンプとして2泊3日の企画です。白馬岳は、北アルプス北部の後立山連峰にあり稜線の両側の傾斜が著しく異なる非対称山稜が発達している特徴的な山容を持っています。東側の谷筋には日本最大の雪渓である白馬大雪渓があり、その上部には日本有数の高山植物のお花畑が広がります。
参加希望者による事前打ち合わせを6月及び7月に各1回計画しています。
<日 時>
平成29年7月30日(日)~8月1日(火)(雨天決行)
<集 合>
バスタ新宿3F 白馬方面行乗り場 6時15分集合 時間厳守
<行 程>
一日目 バスタ新宿6:35発白馬八方BT11:48着/路線バス13:20発20猿倉(1,250m)13:40着/14:00発90白馬尻小屋(1560m)15:30着
二日目 白馬尻小屋(1,560m)6:00発白馬大雪渓7.5H白馬山荘(2,832m)13:30着(小屋到着後 山頂・周辺花散策)
三日目 白馬山荘(2,832m)5:00発20白馬頂上(2,932m)5:20着50三国境(2,751m)6:10着50小蓮華山(2,766m)7:00着110白馬大池山荘(2,380m)8:50着120乗鞍岳(2,436m)天狗原(2,200m)10:50着/11:30発90栂池自然園・栂池ロープウエイ自然園駅(1,829m)13:00着~(栂池ロープウエイ6分)~栂大門駅5ゴンドラ栂の森駅(1,560m)~白樺駅~(25分)~栂池高原駅(839m) 15:00着栂池高原バス停16:10発バスタ新宿21:43着
なお、栂池高原着が予定より早い場合、「栂の湯」利用(700円) |
<歩行時間・歩行距離>(休憩含む)
一日目 約1時間50分、約2.5km
二日目 約7時間30分、約3.7km
三日目 約7時間30分、約10.0km
<地 図>
白馬 1/50,000 昭文社
<交通費等>
概算合計33,350円
バス代 新宿-栂池往復8,700円 栂池-猿倉930円 ロープウエイ・ゴンドラ1,920円
宿泊費(2泊)19,600円、弁当代(2食)2,200円
<持ち物>
別紙参照
<申し込み・問い合わせ>
申し込みは、平成29年6月20日(火)までに関口Lまで、又はホームページ「山歩き会出欠表」にお願いします。
注意:なお、申込み期限後の変更については、関口Lに直接連絡してください。
<宿泊場所>
7月30日(日) 白馬尻小屋 0261-72-2002
7月31日(月) 白馬山荘 0261-72-2002
<その他>
携帯電話はかけることが出来ます。
行程図
高低図
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