八ヶ岳山行・阿弥陀岳(2,805m) 中岳(2,705m)そして主峰赤岳(2,899m)
第108回 練馬稲門会山歩き会 山行
ご報告
<実施日>
平成30年7月29日(日)~31日(火)
<天候>
第1日目 曇り/雨/強風あり 第2日目 晴天/強風あり 第3日目 晴天/無風
<参加者>
20名(女性9名、男性11名)
石村毅、内池久幸、神崎修、喜々津和夫、喜々津一枝、木村慶子、桐谷富美子、金明一、倉地京平、崎野里美、鈴木美紀子、関口總子、瀬川健治、瀬川恵、手塚吉勝、松本誠、山口光朗、山田興太郎、山田恭子、関口嗣男(リーダー)
<コース>
第1日目:JR新宿駅中央線ホーム集合・特急あずさ1号7:009:08茅野駅・アルピコ交通バス美濃戸口線9:3010:07美濃戸口・八ヶ岳山荘にて装備点検・準備体操 10:4711:57赤岳山荘・昼食12:3512:50美濃戸登山口(分岐)・北沢コース13:50堰堤広場14:0015:40赤岳鉱泉16:0016:50中山乗越17:05行者小屋・受付・夕食・宿泊
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第2日目:5:00起床、6:00朝食 行者小屋7:057:50文三郎道分岐・中岳道へ8:40中岳のコル・2名は阿弥陀岳山頂へ、5名は7合目で下山、3名は3合目で下山 9:4010:00中岳山頂10:2012:10赤岳山頂12:1512:20赤岳頂上山荘・受付・昼食・夕食・宿泊 |
第3日目:4:30起床、4:45ご来光, 5:30朝食 赤岳頂上山荘6:306:40赤岳山頂6:457:50文三郎分岐・文三郎道へ9:20行者小屋・大休止・南沢コース10:1013:09美濃戸山荘13:1513:50八ヶ岳山荘・入浴・昼食 アルピコ交通バス16:2016:57JR茅野駅・休憩・特急17:5020:07JR新宿駅・解散 |
<歩行距離・時間>
第1日目:計7.8km 5時間 第2日目:計2.3km 5時間 第3日目:計7.8km 6.5時間
<山行報告>
逆走台風12号の影響が心配されたが、何とか難を免れた20名の岳人達は、満席のスーパーあずさ1号で新宿駅を一路茅野駅に向けて滑り出した。久しぶりの特急あずさは快適な乗り心地。
しかし台風の尾ひれが延びて、天気は不安定。車窓からは暗雲が見え隠れする。目的地の八ヶ岳だけは晴れてくれと祈る。
日本列島の中央山岳地帯の長野県と山梨県に広がる八ヶ岳連峰。高山、低山が南八ヶ岳と北八ヶ岳を構成。その中で、今回の山行山塊は、南八ヶ岳に君臨し、いずれも山肌を露わにする岩峰として名をはせる阿弥陀岳(2,805m)、中岳(2,705m)そして主峰赤岳(2,899m)である。
山頂に至るルートは幾つかあるが、いずれもロングコースで、大きな起伏を伴い、一筋縄ではいかない。
八ヶ岳は、今回リーダーを務める関口嗣男前山歩き会会長がこよなく愛する山塊である。
数えきれない“八つ歩き”をしてきた関口リーダーも、今回の山行グループは様々なレベルの20名であることから、より慎重に下打ち合わせや下見を再徹底し、山行中は、コース上は無論のこと、宿舎でも終始適切なアドバイスをするなど、細心の注意を払って引率され、何とか無事に帰着させていただいたことに感謝いたしたい。
サブリーダーの倉地さん、喜々津さんのご尽力にも、まずは御礼申し上げたい。
7月29日
一行を乗せた路線バスが、八ヶ岳山行の最もポピュラーな登山口である美濃戸口に到着。
目の前に八ヶ岳山荘が店を構える。ここで荷物の整理と準備体操をして、いざ出発となる。期待に胸が膨らみ、笑顔と緊張感が交差する一行。
美濃戸口より美濃戸登山口へ向け、約2.8kmの緩やかな林道を進む。
広葉樹林の明るい森林地帯を樹木が発散するフィトンチッドを胸いっぱいに吸って歩く。70分の歩きで、赤岳山荘のある登山口に至る。
ちょうど正午ごろに美濃戸登山口(1,720m)にある赤岳山荘に到着。
関口リーダーと旧知の小屋で、ここで昼食を取らせていただく。
小屋名物の漬物やお茶のサービスを受ける。
この地点は、行者小屋(2,350m)への南北コースの分岐点。今日は北沢コースを選択。
行者小屋の途中にある赤岳鉱泉(2,220m)を経由する約3.8kmの北沢コースは、森林の中を歩く気持ちいいルートになっている。
前日の降雨で水量の多い渓流が一層大音響を響かせている。
赤岳鉱泉から行者小屋(2,350m)までの約1.5kmは、通常は南八ヶ岳の絶景を楽しみながら歩けるが、今日は台風のあおりを受けて強い雨の中の行軍となった。
雨で気温が下がり、かつ雨具の中は汗だらけという状態で、体調維持が難しい。
行者小屋は、南八ヶ岳山塊へのベースキャンプと言える。
ここに宿泊して、赤岳をはじめ阿弥陀岳などへの登山ルートを選択できる。
体調を崩した岳友は、残念ながら行者小屋に留まることになった。優しい山乙女桐谷さんにご面倒をかけることになった。当会のお母さん役とも言うべき桐谷さんに感謝です。
7月30日
前日までの雨を考慮して、関口リーダーはルートを変更。中岳道を上がって、中岳のコルまで約1.5kmを歩くこととした。
地蔵尾根や文三郎尾根に比べ、傾斜が緩やかで歩きやすい。
中岳のコルから阿弥陀岳に少しでも登りたいという希望が出て、3グループに分けて登ることにした。
阿弥陀岳は八ヶ岳では3番目に高い峰。阿弥陀岳への取りつきである中岳のコルから、阿弥陀岳の登頂を目指すグループと途中で戻るグループ、更には下から眺めるグループに分かれた。
山頂に立てば、南アルプス連山、富士山そして北アルプスから赤岳など、全方位に雄姿が眺められる。
中岳のコルから中岳山頂、そしていよいよ圧巻の赤岳山頂へ。
岩稜帯が続く横岳から赤岳南側のキレット一帯には、火山活動の痕跡と長い年月の風雨にさらされた浸食が見て取れる。
切り立って険しい岩稜をつかみ、足を使い、鎖や梯子を補助に、3点支持を徹底して難所を通過する。
集中力と緊張感を保ち続けることが不可欠な急登だ。その先には見たことのない展望が待っている。
倉地サブリーダーが第1グループを、喜々津サブリーダーが第2グループをしっかりと引率し、安全に引き上げてくれた。
赤岳山頂は、まず最高峰の南峰(2,899m)にたどり着き、次に狭い吊尾根を渡り歩いて、赤岳頂上山荘のある北峰へと移動する。
頂上山荘は、約200名の宿泊が可能な小屋で、ここからご来光から山々を真っ赤に染める夕焼け、雲海に浮かぶ富士山やアルプスの峰々など、脳裏に残る大展望を手に入れることができた。
真夜中の星空を眺める余裕のある岳友もいた。
7月31日
早くも下山の日となる。ご来光を拝み、長いルートを考慮して、早めの出発を選んだ。
名残惜しい小屋前で記念撮影。
続いて南峰の山頂で安全下山をお願いして下り始める。
多くの登山者が同時刻に移動するので、かなりの混雑。また早くも登ってくるパーティーもあり、譲り合いながらの下山で時間も掛かる。
富士山の美しい姿を拝んで、昨日と同じルートを下るが、複雑に入り組んだ岩壁は急峻だ。
より慎重に時間を掛けて手足をバランスよく動かし、鎖を補助にして下る。
文三郎尾根分岐から文三郎尾根に入り、鉄階段が続く急坂を下る。
ほぼ全山道が階段で造られており、膝への負担が大きい。
滑りやすいザレと土砂で歩きにくい箇所もある。眼下に行者小屋が垣間見える。
文三郎尾根を下り、行者小屋近くで桐谷さんの出迎えを受ける。
行者小屋で体調を整えた岳友と合流。すっかり体調が戻って笑顔が嬉しい。
行者小屋で小腹に補給する。
行者小屋からの下りは、南沢コースを選択。約3.8kmの森林地帯を約2時間かけて下る。
途中の山道には多種の苔類が一面に広がっていた。
かなり疲れた身体を奮い立たせて、14:00ごろ出発地点の八ヶ岳山荘に戻った。
何とか入浴して3日間の汗を落とし、疲れを癒す。
遅い昼食を取りながらの反省会となった。まずは全員が元気で出発地点に戻り、様々な出来事に想いを馳せた。
八ヶ岳の魅力は、180度の眺望と様々な高山植物、更にはシラビソやダケカンバなどの深い森そしてその林床を覆う様々な苔類。
山小屋も多数点在し、登山道も整備されているので、登山計画の独自のものを立てやすい。
四季折々に異なる姿を見せる八ヶ岳山塊であるので、何度でも山歩きしたい雄々しき峰々が八ヶ岳である。
(報告:石村 毅 写真:喜々津和夫&石村 毅)
ご案内
BIG SUMMER CAMPとして2泊3日の企画です。中央線、中央高速道から諏訪方面に向かい甲府を過ぎるあたりから、左に鳳凰三山、山の貴公子甲斐駒ヶ岳、右側からは茅が岳、そして目に焼き付くほど峻険な八ヶ岳連峰、東京から一番近い北アルプス的要素、原生林、岩壁、岩稜、林床・高山の花々、山岳展望などが満載している四季を通して魅力いっぱいの山域です。その主峰赤岳と阿弥陀岳に登ります。
参加希望者による事前打合せ(携行品詳細説明、JR切符配布、シュリンゲ(女性120cm、男性150cm)装着練習)を7月8日(日)18時にココネリ3F研修室2で行います。
<日 時>
平成30年7月29日(日)~31日(火)(雨天決行)
<集 合>
JR新宿駅 9番ホーム 6時40分 時間厳守
<行 程>
1日目 JR中央線新宿駅発7:00(スーパーあずさ1号松本行き)茅野駅9:08着/9:30発(アルピコバス美濃戸線)美濃戸口着10:07/準備体操/10:30発美濃戸(1,800m)柳川北沢登山道赤岳鉱泉小屋(2,220m)中山乗越・展望台(2,390m)5h15m行者小屋(2,340m)15:45着
2日目 行者小屋7:00発地蔵尾根登山道地蔵の頭分岐赤岳天望荘(2,720m)4h赤岳頂上山荘(2,899m)11:00着
3日目 赤岳頂上山荘6:30発峻険岩稜・鎖、3点支持活用で慎重通過キレット分岐(2,860m)文三郎分岐(2,631m)中岳(2,700m)1h45m中岳のコル(2,502m)8:15着、荷物デポ空身で---阿弥陀岳(展望、高山植物)---中岳のコル(分岐)---中岳道(ダケカンバ、花)3h12m行者小屋11:27着柳川南沢登山道3h03m美濃戸14:30着1h美濃戸口15:30着/16:20発バス茅野駅16:57着/17:50発(JR新宿行きスーパーあずさ30号千葉行き)新宿着20:07
<地 図>
八ヶ岳 1/50,000 昭文社
<交通費等>
32,366円+個室料金
JR切符(往復)11,016円、バス代(往復)1,550円、宿泊費(2泊)17,800円、弁当代(2食)2,000円
<持ち物>
「装備表」参照
<申し込み・問い合わせ>
申し込みは、切符購入のため6月20日(水)までに、関口Lまたは「山歩き会出欠表」にお願いします。
注意:申込み期限後の変更については、関口Lに直接連絡してください。
<宿泊場所>
7月29日 行者小屋(2,350M) TEL 090-4740-3808
7月30日 赤岳頂上山荘(2,899M)TEL 090-2214-7255
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