立山(雄山3,003m~別山2,874m)
第84回 練馬稲門会山歩き会 山行
ご報告
<実施日>
平成28年7月31日(日)~8月2日(火)
<天候>
7月31日(日)晴れ/曇り、8月1日(月)快晴夕刻雨、8月2日(火)晴れ/曇り
<参加者>
20名(女性12名、男性8名)
関口嗣男、関口總子、石川正利、石村毅、五十嵐敏子、内池久幸、 神崎修、喜々津一枝、菊田勉、菊田和子、木村慶子、桐谷富美子、 倉田敏子、倉地都史子、清水恵美子、手塚吉勝、中津川量子、二和田秀子、山田興太郎、山田恭子
<コース>
7月31日(日)
バスタ新宿(6:15)集合・京王高速バス・白馬八方行(6:35)信濃大町駅前(11:06)路線バス(11:15)扇沢(11:45)関電トンネルトロリーバス(12:00)黒部ダム(12:16)昼食休憩黒部ケーブルカー黒部湖(13:20)立山ロープウェイ(13:40)立山トンネルトロリーバス(14:15)室堂(14:30)2,450m一の越山荘(16:35)2,692m
8月1日(月)
起床(4:00)一の越山荘(5:15)雄山(7:10)3,003m 神社参拝・朝食弁当(8:20)大汝山(9:00)3015m富士ノ折立(9:30)2,999m真砂岳(10:50)内蔵助山荘(11:10~11:45)別山(13:10~13:25)剣御前小屋(14:20~14:30)2,753m雷鳥平(16:40)みくりが池温泉(18:10)
8月2日(火)
起床(6:00)朝食(7:00~8:00)室堂(8:30)(第一日目のアルペンルートで信濃大町へ)信濃大町・京王高速バス・新宿行(15:45)バスタ新宿(20:20)
<山行記録>
第1日目
梅雨も明け、快晴の7月の最終日31日の朝、新宿バスタ4階バスターミナルに総勢20名が集合し、路線バスにて定刻6:35出発。出発早々、恒例の関口夫妻による「ぬれせんべい・甘納豆」セットの袋が配られ、バスの旅が始まった。
バスは途中、甲府を過ぎた双葉SAで休憩し、中央高速道岡谷ICから長野自動車道に入り、梓川SAにて第二回目の休憩後、安曇野ICより一般道に入り、定刻11:06に信濃大町(713m)に到着。
ここより、立山黒部アルペンルートに入り、予定より早い路線バスにて、大町温泉郷経由で、18Kmを約40分で扇沢(1,433m)に到着。
ここで、関電トロリーバスに乗り換えて、黒部ダム建設時に資材運搬用として掘削した赤沢岳の山中のトンネル6.1Kmを、途中長野県と富山県の県境を経て16分で黒部ダム駅(1,470m)に到着。
駅からひんやりしたトンネルを歩くとやがて黒部湖が見えてくる。
トンネルの出口の脇にて冷たい湧水を飲み、黒部ダム碑の前で黒部湖を背景に記念撮影をした。
ここで昼時になり、黒部ダム、黒部湖を見ながら各自昼食を取った。
昼食後、黒部湖を左手に見ながら、黒部ダムの上のダム堰堤を、右下に毎秒10トンの観光放水の水しぶきを覗きこみながら、黒部湖駅まで徒歩にて進んだ。ここから黒部ケーブルカーにて、0.8Kmの地下道、最大勾配31度の急斜面を5分で黒部平(1,828m)へ到着。
黒部平からは立山ロープウェイにて大観峰(2,316m)へ向かった。
このロープウェイは全長1.7キロを7分で結び、景観保護のために途中支柱が一本もない1本のワイヤー構造で、全く振動を感じさせない快適な毎秒5mのスピードでの運行で、後ろ眼下に黒部湖、後立山連峰の山々を見ながらの動く展望台の如くの旅であった。
大観峰からは、立山トンネルトロリーバス(バスの屋根のポールより電車線から電気を受け取り走る無軌道電車)にて立山山中を走り、中央の雄山山頂直下付近で上下のバスがすれ違う3.7Kmのトンネルを10分で進み、室堂(2,450m)に到着。
室堂駅を出ると、眼前に室堂平が広がる。
立山玉殿の湧水(日本名水百選)を楽しみ、記念撮影をし、一休み後14:30に一の越山荘を目掛けて、第1班、第2班の順に歩き始めた。
途中立山室堂山荘(18世紀建立の日本最古の山小屋で、重要文化財)に立ち寄り、雄山初め立山連峰を雲間に仰ぎながら、また、後方下にミクリガ池、ミドリガ池を、所々に残る雪渓を見ながら(下記写真)、石畳を登り、祓堂を経て、最後はきつい登りに耐えて、2時間ほどで、一の越山荘(2,692m)に16:35に到着。
山荘の前庭から雄山、北アルプスの山々の360度の景色を堪能し、記念撮影後、一部屋4名ずつの部屋に入り、荷物解きし、休憩。
限られた量ではあったがアルコールで喉を潤し、夕食(下記写真)を取り、翌日の朝食のお弁当も配布され、夕暮れの光景を眺めた(下記写真)後、早めに就寝。
夜中にふと起きて見た空には、東京では見られないほどたくさんの星が綺麗に見られ、思ったほど寒くはなく、半袖シャツでもOKであった。
第2日目
4時ごろ起床し、各自、身支度を整え、山荘の前から、下界の蒸暑さと違う清々しい天候での、日の出前の薄明かりの雲上の景色(下記写真)を楽しんだ。
準備体操を行い、いよいよ、立山連峰縦走の始まりで、雄山を目指し第1班、第2班、第3班の体制で5:15に出発。
一の越から雄山への道は険しく、大小の石が混在するガレ場で、周囲が開けた緩斜面で休みながら、一から五の越の稜線を登った。途中立ち止まり、周囲を見渡し、今年は雪が少なく小さな残雪、イワツメクサ、チシマギキョウ、チングルマなどの高山植物(下記写真)、室堂平の池、北アルプスの山々の景色を楽しみつつ、ひたすら頂上を目指した。
雲が多く、残念ながら期待していた西方の富山湾は見えなかったが、東、南の山々は素晴らしく、2時間後(7:10)にようやく雄山神社に到着。授与所にて五百円払い、頂上(3,003m)にある雄山神社峰本社に登り、なかなかイケメンの神主の祈祷、お祓いを受け、談話と、最後に清めの盃を一杯頂き、立山頂上登拝を無事済ませた。
皆で記念撮影し、しばし頂上からの360度の景色を楽しみ、授与所に戻り、朝食を取り、休憩。
標高約3,000mでも風がなく、半袖で充分の気候であった。
ここで第3班の関口夫人、菊田勉さん、石川さんは元来た道を引き返して下山。
第1班、第2班は、引き続き次の工程へと出発。8:20に出発して直ぐに、雄山神社に佇み、遠くを見る神主の白装束に緋色の袴が風にたなびき、そのシルエットはまるで映画を見ているようであった(下記写真)。
ここからは岩場の稜線を歩き、前人の足運びを参考に、足場選択を慎重に行い、進むこと40分、立山連峰最高峰である大汝山(3,015m)に到着。
狭い岩場の頂上に登り、狭い山頂にて、「大汝山」の立札を持って、個々人、集合記念撮影。
狭い頂上からは黒部湖が一望でき、氷河も見られた。
引き続き、岩場の稜線を進み(下記写真)、富士の折立(2,999m)頂上の下を通過し、右下に内蔵介カールを見ながら、室堂平を左手眼下に、残雪の雪渓を処々に見ながら稜線を下り、大走り分岐、真砂岳(2,861m)(下記写真)を経て、途中、内蔵介山荘(下記写真)に立ち寄り、ここで昼食休憩。
昼食後に、元の稜線に戻ったが、この戻り道が登りで結構長く、消耗した。
分岐の処にリュックサックを置いてくれば良かったな。
その後、緩やかな稜線を歩き続け、最後のきつい上りの稜線を経て、別山南峰(2,874m)(下記写真)に到着し、しばしの休憩後に剣御前小屋(2,753m)へ到着。
ここは剣岳に登る別山乗越で、ここから、14:30に雷鳥沢下りを開始し、雷鳥平を目指した。ここからは下りで、雷鳥平も眼下に見えており、甘く見ていたが、大小の岩のがれ場が続き、途中、狭い道もあり、ハイ松の茂り、トウヤクリンドウ、タテヤマリンドウなどの高山植物を楽しむも、結構、消耗しながら、後半は黙々と下った。
そろそろ疲れの表情が皆に出てきて、下山開始後2時間を経て、称名川の木橋を渡って、ようやく雷鳥平キャンプ場に到着しほっとした。
ここで、トイレ、飲水休憩。17時も過ぎており、キャンプ場では多数のテントが既に張られ、夕食準備が行われており、夕食を始めたグループもあった。
南前方の山の上に建つ雷鳥荘が比較的近くに見え、「その後ろが今夜の宿」との声を励みに、ここからは第1,2班を一時解散し、雷鳥荘に向けて階段を、急ぎ息を切らせながら登り始めた処、途中で夕立に会い、それでも雷鳥荘を目指し、進み、やっとのことで着いた。
もう土砂降りで、為すすべなし。
陽も暮れてきており、ここまで来れば、もう、宿に着いたのも同然と思いきや、また、厳しい登り階段が20分位続き、漸く6時過ぎにみくりが池温泉に到着した。玄関で先発隊の関口夫人、菊田勉さん、石川さんの迎えを受けてようやくほっとした。もう、皆、ずぶ濡れ。
でも、宿は日本秘湯の会の素晴らしい温泉であり、これに救われた。
ずぶ濡れの靴、衣服等を乾燥室に収めてから、隣接する地獄谷よりの源泉を楽しむことで、疲れが大変に癒された。
部屋は一室に左右2段ベット2連の計8名の部屋と畳部屋で、各ベッドには手元灯りもあり、消灯後も真っ暗にならず、トイレに行くには便利。温泉入浴後の7時より皆でビール、冷酒を適当に楽しみつつ、夕食を取り、夕食後も9時までは食堂にて、飲酒、歓談を行った。
これで、今回の登山のメインイベントも無事終わり、安堵の時を楽しみつつ、就寝です。
でも、部屋が暑く、途中で起きてしまった。
第3日目
昨晩の雨も夜半過ぎに上がり、清々しい朝であった。
朝食前のたっぷりの時間で、朝の温泉、朝の散歩を楽しみ、7時よりの朝食。
そうそう、立山と言えば、立山のシンボル雷鳥です。
見たいみたいと思っていたが、なかなか、会えずにいた。しかし、昨日の夕立の中で宿に向かう途中に雷鳥を見た人もいたし、今朝は宿の側の階段付近で雷鳥(夏場は褐色の羽毛)が人目も気にせずに歩く姿が見られた。
宿の南西側下方には地獄谷があり、灰白色の山肌、処々で吹き上げる水蒸気、噴気活動が活発なために通行禁止で、宿から見学。
朝食後にミクリガ池を背景に記念撮影し、ミクリガ池の側を通って、室堂駅に向かった。
ミクリガ池では、静かな池の湖面に映る感動的な逆さ立山連峰(雄山の神社も)を見ることができた。
室堂駅からは、第1日目とは逆方向に下り、黒部湖駅から黒部ダムに歩き、休憩。この休憩時間に放水を観覧にダム、更にその上のダム展望台、下方の新展望広場や殉職者慰霊碑へ行く人もいた。
そろそろ疲れの表情が皆に出てきて、下山開始後2時間を経てダムからひんやりするトンネルを歩き、黒部ダム駅到着。
扇沢を経て、13時前に信濃大町に到着。これまでとは違い、大変に暑く感じた。
予定よりかなり早い到着だったので、帰りのバスを早めに予約し直し(結局、17名分は15:57発の早い便が取れたが、残りの3名分は取れず、関口ご夫妻と手塚さんは自発的に辞退された。ありがとうございました)、駅そばの蕎麦屋の名店「こばやし」にて昼食。
その後は雨も降ってきて、バスの待合室にて、近所で買い物などをしながら過ごし、15:47にバスに乗り込み、帰京の途に着いた。
途中2回休憩し、20:20に新宿バスタに帰着。今回はこのまま解散。御苦労さまでした。
あとがき
今回は、総勢20名という大部隊であったが、怪我人、病人も出ず、全員無事に下山、帰京することができた。
これはひとえに関口リーダーの長年の経験に基づく、綿密な計画の賜物であるが、これに加え、今回の山行の一週間前に雨の中、関口さんと喜々津さんが今回のルートの下見をして頂いたお陰です。感謝申し上げます。
また、今回は登山工程の管理上、2班に分けて行動しました。
1班のリーダーは内池さんで、全行程で先導役を務めて頂きました。
2班は神崎がリーダーを仰せつかりましたが、この理由は、勝手に早く行ったり、横道にそれたりせずに、ひたすら先導役に付いて行くようにという裏の理由があった。今回はこの試みがまんまと成功した。
(報告者:神崎 修、内池 久幸 写真:石村、中津川、内池)
ご案内
夏山登山の最盛期。雄山でのご来光、本格的な稜線・岩稜ウォーク、高山植物の観賞、立山自然保護センター講師と行くみくりが池周辺の散策と、夏山の醍醐味を味わう山行です。
参加者には事前の打ち合わせを行い、行程・装備・注意事項等の詳細について確認と徹底を行います。
<日時>
平成28年7月31日(日)~8月2日(火)
<集合場所>
新宿BT 午前7時 厳守
<行程>
7月31日(日)
新宿西口BT(7:30)信濃大町駅前 扇沢黒部ダム 黒部平大観峰 室堂 祓堂経由 一の越山荘(18:15予定) 宿泊
一日目 歩行時間:約2時間/歩行距離:約2.4km
8月1日(月)
一の越山荘(4:00起床/4:30出発) ご来光/雄山(6:00)大汝山富士ノ折立大走り分岐地点 真砂岳 内蔵助分岐地点別山・南峰/北峰 別山分岐地点 別山乗越・剣御前小屋 雷鳥平 みくりが池温泉(15:30予定) 宿泊
二日目 歩行時間:約9時間30分/歩行距離:約7.8km
8月2日(火)
みくりが池温泉(6:00/朝食)~みくりが池周辺の散策~ 室堂(11:45) 大観峰 黒部平 黒部ダム 扇沢 信濃大町駅前 新宿西口(20:43)
<費 用>
交通費20,250円 宿泊費18,600円 合計38,850円
<持ち物>
夏山登山装備(事前打ち合わせにて指示及び確認)
<申込担当>
関口会長宛
<締 切>
6月25日(高速バス及び宿泊所予約のため)
<雨天決行>
雨天時も予約等の関係で決行
<宿泊場所>
7月31日(日) 一の越山荘 090-1632-4629
8月1日(月) みくりが池温泉 076-463-1441
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