練馬稲門会前会長 荻野 隆義
これまでの26年間にわたって練馬稲門会を率いてこられた荻野隆義前会長に、就任から退任までの様々な思い出を語って頂きました。聞き手は広報チームの照山忠利リーダーです。
一一7月の総会で長期に及ぶ会長職を退任されました。 今のお気持ちは。
●長年の懸案事項であった世代交代ができて
荻野 やっと肩の荷を下ろした感じでほっとしています。
大分前から「世代交代」を訴えて後継者が できるのを待ち望んでいたのですが、なかなか 機が熟さず今日に至りました。26年前に父の後を継いで会長に選ばれた時には、正直言って こんなに長く務めることになるとは思いません でした。でも振り返ってみるとあっという間だったような気もします。
一一就任された当時はどんな状況だったのですか。
●会のさらなる発展のためにサークルを
荻野 父の優が昭和 53 (1978)年の創立から16年間会長を務めました。
私が第2代会長に就任した当時は、東京23区稲門連合会の結成大会が開かれ、16の都内稲門会が一堂に会しました。 残りの7区の稲門会もその年に結成されました。
従来からの各道府県校友会支部と同一歩調をとることになったのです。
当時の練馬稲門会の会員数は 152名と設立当初の200名から減っていました。そこで会のさらなる 発展のためにいく つかのサークルを作り、会員相互の 親睦と連帯感を図ることにしました。
一一それが今ではサークル数も20に増え、23区の中ではトップクラスの稲門会となりました。
●サークルの増強に尽力された方々に感謝!
荻野 サークルの育成や会員の増強対策に取り組んでくれた方々の功績が大きいと思います。
中でも 塩田さんには幹事長、事務総長として献身的な働きをして頂きました。
校友宅への戸別訪問で入会を勧誘したり、ゴルフ、旅行、スポーツ観戦、 テニス、釣り、囲碁、ダンスなどサークルを次々と立ち上げました。
旅行部会は 2000~2008年までの間にハワイ、 オーストラリア、タイ、ベトナム、済州島など のツアーを実施しましたし、ゴルフ部は中島さ んの尽力で100名を超える最大サークルとなり、昨年 200回のコンペをクリアーしました。
その後事務総長を務めた関さんにも頑張って頂き、今日の隆盛の基礎を作ってくれましたが、 昨年急逝されたことは本当に残念です。
一一在任中の思い出で印象深いことは。
●難局を乗り越えニューイヤーコンサートを
荻野 いろいろありますが一つだけ挙げるとすればやはりニューイヤーコンサートでしょうか。
練馬稲門会の活動理念として「会員相互の親睦」、「大 学への貢献」に加えて「地域社会への貢献」を 掲げています。
この三つ目の目的を達成するにはどうしたらよいかと考えたときに浮かんだの が早稲田大学交響楽団によるニューイヤーコン サートでした。
2007 年に第1回の演奏会を練馬文化センターで開催しました。
これを提案し た当初は様々な異論、反論があり、柳洋子さんの回想録によれば「どうせ成功などするわけな い」と嘯く有力者もいたそうです。
新年早々の寒風の中早朝から会場予約に並んだのを手始めに、チケット販売、団体・企業への協力要請など山のような仕事が待ち受けていましたが、柳 洋子さん、富塚さん、小松さん、菅野さん、華岡さんなどのご尽力で難局を乗り越え、実現に こぎつけることができました。
今では練馬区の新春恒例の行事として定着し親しまれています。
また収益の中から「練馬みどりの葉っぴい基金」にも毎回寄付を続けており、地域社会への貢献という目的を十分果たしてい ます。
残念なことは任期の終わりの2年半ほどがコロ ナの感染拡大で活動にブレーキをかけられたことです。
これは練馬稲門会だけでなくどこの団体も同じですが、コロナ感染初期に高名な大病院の先生が「人々がコロナから完全にフリーとなるには5年かかる」と言われたことが思い出されます。
このため昨年10月に私のホームコ ースである武蔵 CCを借り切ってゴルフ部 200回記念大会を企画したのですが断念せざるを得 なかったことが本当に心残りです。
一一最後に、これからの練馬稲門会に対するアドバイ スをお願いします。
●終生の早稲田キャンパスとして発展を
荻野 私自身在任中は会社経営と業界団体等の役職に加え、早稲田大学関連の仕事もあり大変多忙でした。
そのため練馬稲門会の運営については手が回らないことがあったのも事実で、内心旺尼たる思いがしています。それでも多くの方々に支えて頂き何とか職務を全うすることができました。
関係者の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
後任の石井新会長も現役の経営者ですので、私同様多忙な中での会長職となりますが、幸いス タッフ陣も充実しているようですので、新しい感覚でさらに会の活性化と発展をめざして頂きたいと思います。
「早稲田大学」という現実のキャンパス生活は大体が4年間程度ですが、「練馬稲門会」とい うキャンパスは世代を超えて交流できる終生のキャンパスです。
早稲田ファミリーであることにさらに誇りと喜びを感じられるような団体、そんな存在になってもらいたいと念願しています。
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