第5回ニューイヤーコンサートのご報告
写真撮影 岡田吉郎氏 他


寒さにもかかわらず、開場前から大勢並んでいただきました



練馬稲門会より練馬区の葉っぴい基金へ寄付させていただきました



練馬区より感謝状をいただきました



指揮者の曽我大介氏とコンサートマスターの藤沢麻梨子さん(人間科学部4年)



司会はおなじみの小林大輔氏



質の高い演奏が続きます











次回は2012年1月21日(土)です。お待ちしております。



パンフレットより

練馬区長 志村豊志郎

清々しい新春を迎え、練馬稲門会New Year's Concert 2011が、盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。

早稲田大学交響楽団は1913年、大正2年の創立以来、180回を超える定期演奏会を重ねられてこられました。
昨年も11月に「早稲田祭2010特別演奏会 奏楽彩〜Waseda Music Festival〜」と題し、大隈講堂に満場のお客様を迎えられ、盛大に演奏会が開催されました。
また12月には、昨年入学した一年生のメンバーによる「Fresh Concert 2010」を開催し、好評を博されたと伺っております。
こうした新しい力と、日々の研鑽があいまって、一世紀に及ばんとする「ワセオケ」の歴史と伝統を築いてきたのだと存じます。
本年も練馬文化センターに、ワセオケの素晴らしい演奏が響き渡ることを、練馬区を代表し、歓迎申し上げる次第です。

本日は、指揮者に曽我大介氏、またソリストに同楽団コンサートマスターの藤沢麻梨子氏を迎え、ベートーヴェンやメンデルスゾーン、JシュトラウスII世の名曲が演奏されます。
観客の皆さまの心に響く、素晴らしいコンサートとなりますことを期待しております。

また、本コンサートを主催されている練馬稲門会の皆さまにおかれましては、日頃から、様々な地域貢献活動を展開されております。
その一環として、本公演を通じて練馬区の文化振興にご協力いただいているとともに、本年も収益金を、練馬区みどりを育む「葉っぴい基金」へご寄付いただけることになりました。
70万練馬区民を代表して、深く敬意を表し、心から感謝申し上げる次第です。

結びに、本コンサートの成功と、練馬稲門会ならびに早稲田大学交響楽団の一層のご発展、ご来場の皆さまのご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。


早稲田大学総長 鎌田 薫

本日は、第5回New year's Concert 2011の開催、誠におめでとうございます。
昨年に引き続き5回目となるこの日の舞台のためにさまざまな形でご支援、ご協力をいただきました練馬稲門会の皆様には心から感謝を申し上げます。
また、練馬稲門会の皆様方には、日頃から荻野隆義会長を中心に会の発展にご尽力い
ただいており、あわせて厚く御礼申し上げます。

さて、「ワセオケ」の愛称で親しまれております早稲田大学交響楽団は、1913年に創設されたユースオーケストラであり、その存在は、大学公認の交響楽団として、学内の公式行事においても欠くことのできない重要なものであります。
早稲田大学の学生約300名から構成されており、数多くある音楽系学生サークルの代表格と言っても過言ではありません。

また、1978年のカラヤン・コンクールでの優勝を契機として、以来12回におよぶ海外公演を積極的に行っており、"ワセダ・シンフォニー・オーケストラ"として国境を越えて羽ばたく活躍は、早稲田大学の誇りとするところであります。

2009の2月〜3月にもヨーロッパ3力国11都市をめぐる海外公演を敢行し、その質の高い洗練された演奏によって各都市で耳の肥えた聴衆に新鮮な感動を与え、ヨーロッパの人々は東洋から来たこの楽団を大きな喝采で迎えました。
とりわけベルリン・フィルハーモニーで行われた演奏会は、Digital Concert Hall(※ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の専属のインターネットコンサート放送)で生中継されるという栄誉を得ることとなりました。
このデジタルコンサートホールは本来ベルリン・フィルの定期演奏会だけを取り上げるためのものでしたが、ワセオケの演奏が高く評価され、今回、ベルリン・フィル以外で初め客演を実現しました。

本日の演奏会は、指揮者に第1回目のNew Yeafs Concert 2007でも共演いたしました曽我大介氏を迎えます。
団員は、最高のステージを創り上げ、観客の皆様と感動を共有するため、指揮者とともに日々厳しい練習に励んでまいりました。
日頃の鍛錬の成果をいかんなく発揮し、一年のスタートにふさわしいニューイヤーコンサートにしてくれるものと期待しております。
また、2013年に迎える楽団創設100周年という大きな節目に向けて団員の意識はますます高いものになっております。
どうぞ皆様におかれましては、オーケストラが織り成す調べを、心ゆくまで堪能していただければと存じます。

最後に練馬稲門会の益々のご発展と、会員の皆様のご健勝とご活躍をお祈り申しあげますとともに、今後とも早稲田大学に熱いまなざしとご支援を賜りますようお願い申し上げます。



早稲田大学交響楽団
Waseda Symphony Orchestra Tokyo

早稲田大学交響楽団は、ワセオケの愛称で親しまれる早稲田大学公認オーケストラで、早稲田大学の学生約300名によって構成されています。
1913年の創立以来、定期演奏会は189回に至り、2013年には創立100周年を迎えます。

年5〜6回の主催公演や大学公式行事における演奏を主な活動としており、このほか、テレビ出演や音楽雑誌への掲載など、幅広い分野での活動を行っています。
近年では、2007年10月に早稲田大学創立125周年記念演奏会において、早稲田大学の4合唱団と共にベートーヴェン/交響曲第9番二短調「合唱付き」作品125を演奏、2009年5月にはLA FOLLE JOURNEE de KANAZAWA 「熱狂の日」音楽祭2009の参加要請を受け、演奏いたしました。

同楽団の活動範囲は国内にとどまらず、1978年の第5回国際青少年オーケストラ大会(通称カラヤン・コンクール)での優勝以来、これまで12回にわたって海外公演を行って参りました。
第12回海外公演「2009年ヨーロッパ公演」においては、約1ケ月をかけてドイツ、オーストリー、フランスの3力国11都市を巡り、各地で好評を博しました。
また、第12回海外公演「2009年ヨーロッパ公演」でのベルリン・フィルハーモニーにおける公演を収めたCDが、ユニバーサルミュージックより2010年3月に発売されました。

こうした海外公演を通じて、武満徹/遠い呼び声の彼方へ!、石井眞木/響層、日本太鼓とオーケストラのためのモノプリズム、外山雄三/管弦楽のためのラプソディ、芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽、黛敏郎/BUGAKU(舞楽)、三枝成彰/太鼓についてく太鼓協奏曲〉、といった邦人作品の紹介も積極的に行っています。

共演者も多岐にわたります。指揮者では、小澤征爾、故ズデニェク・コシュラー、レナード・スラトキン、故岩城宏之、大友直人、高関健、山下一史、児玉宏、曽我大介、寺岡清高(以上敬称略)、またベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やNHK交響楽団を中心に、世界一流のオーケストラから多くの方々を共演者としてお迎えしています。

世界的な指揮者の故ヘルベルト・フォン・カラヤン氏には、1978年のカラヤンコンクール優勝以来、同楽団の活動に様々な形でお力添えをいただき、1979年に早稲田大学より名誉博士号を贈呈した際には、大隈講堂において公開リハーサルを指揮していただいています。
カラヤン氏生誕100年にあたる2008年には、カラヤン氏と同楽団の共演の地である大隈講堂での記念演奏会を開催いたしました。

初演作品も数多く、1927年にモーツァルト/交響曲第35番「パフナー」の本邦初演、1970年にストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」のアマチュア世界初演、1975年にショスタコーヴィチ/交響曲第13番変ロ短調「バービィ・ヤール」の本邦初演、1982年に武満徹/オーケストラのための<星・島(スター・アイル)>(早稲田大学創立100周年記念委嘱作品)の世界初演、1987年にメシアン/トゥランガリラ交響曲のアマチュア世界初演、2000年に三枝成彰/太鼓についてく太鼓協奏曲〉の世界初演、2007年に菅野由弘/西北の潮流(早稲田大学創立125周年記念委嘱作品)の世界初演を行っています。

また、ハーバード・ラドクリフ交響楽団やドイツ・ダルムシュタット合唱団、オランダ・ナイメーヘン大学、上海交通大学などの海外の音楽団体とも共演を行い、国際交流にも貢献すべく努力を重ねています。

これらの活動の成果に対し、早稲田大学から小野梓記念芸術賞を3度受賞しています。


指揮 曽我大介

東京ニューシティ管弦楽団首席客演指揮者。桐朋学園大学、ウィーン音楽大学等に於いて、ハイティンク、シノーポリ、ムーシン、ウーロシュ・ラーヨビッチ、小澤征爾、田中雅彦(早稲田大学交響楽団永久名誉顧問)、イオン・ケプテア、森正諸氏に学び、1989年ルーマニア国立音大を首席卒業。
指揮者としてのキャリアは同音大在学中より、ルーマニアの国立オーケストラを指揮してデビュー。
ブザンソンコンクール第一位、コンドラシンコンクール第一位を始めプラハの春、トスカニーニコンクール、ジュネーブコンクールなどで上位入賞、ヨーロッパ各地のオーケストラや中国、アメリカ、ブラジル、日本のプロオーケストラに客演を重ねている。
ルーマニア国立放送管弦楽団の首席客演指揮者、大阪シンフォニカー交響楽団(現・大阪交響楽団)の音楽監督を歴任、在任中日本で一番若い音楽監督としてのその活動は「関西音楽界に新風を吹き込んだ」などと高い評価を得る一方、同交響楽団の初の海外公演を成功に導いた。

近年では作曲家としての活動も活発に行っており、交響楽作品は日本をはじめ、イタリア、ルーマニア、アメリカ、ブラジルでも演奏され、今年にはフルート協奏曲の録音が予定されている。
また、ブラジルやイタリア、ルーマニアなどの音楽祭や講習会で後進の指導にも当たる一一方、審査員としてイタリアを代表する指揮者コンクール「アントニオ・ペデロッティ」コンクールかち招かれるなど、多方面で活躍中。
ブラジル、ロンドリーナ音楽祭では2006年から首席指揮者を務めている。

2009年は国際交流基金の助成を受け、指揮者デビュー20周年と日本ドナウ交流年の企画として、ブカレスト・コントラバスウィークへの参加、ルーマニア各地のオーケストラとの共演による5週間にわたるツアーを行い、各地で熱狂的に迎えられた。
2010年秋にはルーマニア、ブカレスト「ジョルジュ・エネスコ」フィルに客演し、また今春はルーマニア放送交響楽団に客演する。







第5回ニューイヤーコンサートのご案内

早稲田大学校友の皆さまへ

練馬稲門会会長 荻野隆義

仲秋の候、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
昨年もご案内申し上げましたが、来年も練馬稲門会主催、早稲田大学校友会並びに練馬区後援による早稲田大学交響楽団の第5回ニューイヤーコンサートを下記により開催致します。
お陰様で今年のコンサートは皆様のご協力によりホールは1400席がほぼ満席となり大変ご好評を頂きました。
当稲門会では毎年このコンサートの収益金を母校及び練馬区の「みどりを育む基金(練馬みどりの葉っぴい基金)」に寄贈し、練馬区からは「緑化功績者感謝状」を再度受領いたしております。
このコンサートを通し、練馬区が目指す「みどり豊な住み良いまちづくり」への参加は、練馬稲門会が目的とする地域社会への貢献であり、早稲田大学並びに校友の皆様が区民の方々から高い評価を戴くことにもなると確信しております。
今後ともこのコンサートを練馬稲門会の最重点施策として一致協力、胸を張って推進して参る所存でございます。この機会に練馬稲門会の歩みに校友の皆様のご理解を賜り、是非ご参加頂きたく宜しくお願い申し上げます。

場所    練馬文化センター大ホール
日時 2011年(平成23年) 1月22日(土)
開場 午後4時30分  開演 午後5時
演奏曲目 別紙パンフレット参照
チケット代 指定席3,500円 自由席2,000円
申込先 練馬稲門会事務局 菅野(スガノ) 電話03-3993-4831

FAX用申込書(クリック)


クリックで拡大します



曲目の解説

ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」より第1楽章
ベートーヴェンの「傑作の森」と呼ばれる時期に作りだされた名作のうちの1つが交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」です。
この交響曲は、ベートーヴェン自身が「絵画というよりはむしろ感情の表現」と述べているように単なる描写音楽ではなく、自然についての喜びと感謝の感情に満たされています。
今回演奏する第1楽章には「田舎に着いた時の愉快な感情のめざめ」という標題が付けられており、晴朗で親しみやすい旋律にあふれている名曲です。

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品64
この曲は、1844年に作曲されたヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲です。
バランスのとれた形式と華麗な技巧、メンデルスゾーン独特の柔らかく美しい旋律が全曲にわたって流れる、名曲中の名曲です。
ベートーヴェン、ブラームスの作品と並んで、3大ヴァイオリン協奏曲と称されています。
全3楽章が続けて演奏され、最後に置かれた華々しいコーダで全曲の幕を閉じます。

R.シュトラウス/組曲「薔薇の騎士」よりクイックワルツ
「薔薇の騎士」はR.シュトラウスの作曲したオペラです。
この作品は、元帥夫人が年齢による衰えにより、情事を重ねている若い青年貴族が自分の元を去っていくのではないかと予感します。
そして、それはある出来事をきっかけに思っていたよりも早く実現してしまうが、彼女はそれを粛然として受け入れるという内容です。
「薔薇の騎士」とは、ウィーンの貴族が婚約の申込みの儀式に際して立てる使者のことで、婚約の印として銀の薔薇の花を届けることからつけられました。

ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
この作品は1899年にピアノ曲として作曲され、後にラヴェル自身によって管弦楽曲に編曲されました。
ラヴェルがルーブル美術館にて、17世紀スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケス作の「王女マルガリータの肖像」に着想を得て作曲されたといわれていまする。
パヴァーヌとは16〜17世紀に西洋で流行した、優雅でゆったりとした宮廷舞曲のことです。
弦楽器のピッチカートに乗せて登場するホルンのソロ、それに次ぐオーボエやフルートが叙情的な曲想を表現しています。

ワルトトイフェル/スケーターズ・ワルツ
「フランスのワルツ王」として知られるワルトトイフェルの代表作です。
もともとは管弦楽曲として作曲されたがピアノ曲としても有名で、今日でも広く親しまれています。
アルプスの山々を連想させるホルンの序奏、流れるような優美な第1ワルツをはじめとしたいくつかのワルツを通じ、力強い華麗なコーダにより曲が閉じられます。

J.シュトラウスU世/ポルカ「狩りにて」
J.シュトラウスU世が作曲したこのポルカは、自身の作曲した喜歌劇「ウィーンのカリオストロ」の音楽に基づいて作られました。
とても明るく軽快な曲で、駆り立てられるように音楽が流れていきます。
曲中では、狩りの合図が響き、馬が駆け、鞭が鳴り、鉄砲の音が轟き、狩りの場面が次々と音になって現れます。
様々な楽器が奏でるメロディーや音が、狩りのどんな様子を表しているのか、というところに注目していただきたいです。

J.シュトラウスU世/ポルカ「クラップフェンの森にて」
J.シュトラウスU世のポルカの中でも特に愛嬌があって親しまれている曲です。
ポルカの種類としては、のんびりとしたフランス風ポルカにあたります。
この曲のタイトルにある「クラップフェン」というのは、ウィーンの北側に位置する小高い丘のある街で、ウィーン市民の憩いの場です。
この曲ではクラップフェンの森にいる小鳥たちのさえずりを中心にのどかな田園風景を描いています。
曲中のかっこうの鳴き声や小鳥のさえずりが聴きどころです。

J.シュトラウスU世/ポルカ「雷鳴と電光」
ポルカ「雷鳴と電光」は1868年にJ.シュトラウスU世によって作曲されました。
彼の約100曲のポルカの中でも「アンネンポルカ」「ピチカートポルカ」等とならび非常に人気のある曲で、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートにおいてもたびたび演奏されています。
雷鳴や稲妻といった情景を打楽器を巧みに用いて表現しており、とても楽しい雰囲気を持った曲です。

J.シュトラウスU世/ワルツ「ウィーンの森の物語」
このワルツはJ.シュトラウスU世がウィーンの街を囲む自然の美しさと、故郷に身を置く安心感に心を動かされ、1868年に作曲しました。
郷土愛に満ちたこの作品は、彼の代表作の一つとして人々に親しまれていまする。
122小節に及ぶ長大なイントロダクション、変化に富んだワルツの数々、そしてクラリネットやフルート、弦楽器にソロなど見せ所もあり、甘美な魅力とスケールの大きさを兼ね備えた作品です。
練馬稲門会